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夜職から昼職に転職する前に知っておくべきビジネス用語とは?
夜職から昼職に転職することが決まっている、あるいはもうすぐ決まりそうという人は、そろそろ転職の準備をしておかなければ…と思っているのではないでしょうか。多くの人が心配しやすいのは、昼職で当たり前のように使われるビジネス用語でしょう。
せっかく昼職に転職したのに、ビジネス用語がわからず会議などで浮いてしまうことは避けたいものです。そこで今回は、昼職に転職する前に知っておきたいビジネス用語について紹介します。
昼職では通じないことが多い!夜職専門用語

昼職には、業種や職種によって様々な専門用語が使われています。夜職から転職したばかりの人にとっては、「?」となる場面も多いでしょう。
しかし、それは昼職の人も同じです。夜職では当たり前のように使っていた専門用語を昼職の人に使っても、何のことかわからないものです。
「体入」は通じない
夜職では、面接を受けて合格した人は、「体験入店」略して「体入」します。体入時の働きを見て、問題がなければ「本入」するという流れです。
夜職で使っていたからと言って、昼職で「体入」という用語を使っても、まず通じません。通じるのは、過去に夜職として働いた経験がある人か、顧客としてキャバクラなどを利用していた人でしょう。
転職面接を受ける際、「体入してみることはできますか?」などと言った日には、どういう意味か聞き返されるか、あるいはすぐに夜職だとバレるかのどちらかでしょう。
「飛ぶ」は文字通りとらえられる
夜職で「飛ぶ」と言えば、お店側に何も連絡せず、突如としてお店を辞めてしまうことを指します。夜職では当たり前に使われる言葉ですが、昼職で使うと、文字通りにしか受け取ってもらえません。
同僚と話している際、「友達も転職したばっかりなのに、飛んじゃって…」などと言うと、多くの場合は「飛んだ?飛行機でどこかに行ったってこと?」と聞き返されるでしょう。芸能界でも「飛ぶ」と言う用語は一般的によく使われていますが、それ以外の業界では、あまり使われることがないため注意が必要です。
昼職でよく使われるビジネス用語10選

業種や職種によって使われる頻度は異なりますが、ある程度共通して使われるビジネス用語があります。電話の取り次ぎや来客対応、会議に参加する際などに役立つビジネス用語をあらかじめ学んでおけば、安心して昼職に転職できるでしょう。
コンプライアンス
コンプライアンスとは、法令遵守のことです。企業が仕事を進めていく上で、きちんと法律や規則を守っていることを指します。
ほとんど全ての業界でよく使われる用語であり、上司や取引先から言われることも多いでしょう。
よくテレビでも「コンプラ問題」などと略されてワイドショーで取り上げられたりもしています。よしもとクリエイティブエージェンシーの闇営業問題の際にもメディアでよく取り上げられていました。
使用例は、「この案件、コンプラちゃんとしてある?」「コンプライアンス違反にならないように、ダブルチェック(二重で確認を取ること)しておいてね」などです。
ダイバーシティ
ダイバーシティとは、多様性のことを指します。多様性といっても幅広いのですが、最近では障がいの有無やLGBTQへの理解度を表現する際によく使われています。
障がいがあってもなくても、男性でも女性でも、トランスジェンダーでもクエスチョン(まだ自分の性に確信が持てない)でもいいよね、みんなOKだよね、という感覚です。
営業職や人事職に転職する場合も、ダイバーシティという用語はよく使われます。使用例は、「新卒採用ではダイバーシティを意識したい」「ダイバーシティを考慮した商品開発をしていこう」などです。
コンセンサス
コンセンサスとは、意見の一致のことを指します。日本では昔から、意見が分かれたときには「多数決」で物事を決めようとする風潮があります。学校で学級委員を選ぶ時、政治家を選出する選挙、友達を行く旅行先を決める時など、公私ともに多数決はよく使われる手段です。
しかし、多数決で決定した意見を採用すると、少数派の人は納得しないまま、多数派の意見に無理やり付き合う形になるでしょう。これでは特にビジネスシーンにおいて、あとあとになって問題になりかねません。
そこで重視されるのがコンセンサスです。コンセンサスは、多数決ではなく、多数派・少数派それぞれの意見を十分に検討して議論し、互いの立場を理解し、1つの意思決定がなされるものです。
コンセンサスをとるまでには、多数決よりも長い時間と手間がかかります。それでも重要事項の決定時には、多数決よりも集団が団結しやすく、決定事項への反発も少ないというメリットがあります。
使用例は、「その案件は重要だから、チームでコンセンサスとってから進めてください」「コンセンサスがなければ、この提案は受け入れられません」などです。
ノー残
ノー残とは、ノー残業デー、つまり残業なしで帰宅するということです。
昼職では最近特に働き方改革が推進されていて、残業時間を短縮したり、休日出勤をなくしたりすることが会社に求められています。会社的には、仕事はしてほしいけど、残業してもらっては困るというのが実情です。
そこで一部の企業では、「ノー残業デー」を設け、その日だけは管理職もみんな残業しないで定時で帰りましょうという規則を作っています。中には、ノー残と称してタイムカードだけ強制的に切らせ、タイムカードを押した後に平気で残業させている会社もあります。
しかし、優良企業は本当に残業をなくすために、これまでの仕事のやり方を見直し、ノー残を実現しているのです。使用例は、「今日はノー残だから、仕事終わったら飲みに行こうよ」「ノー残だけど、これだけはやってけって言われたよ」などです。
なるはや
なるはやとは、「なるべく早く」という意味です。仕事を頼まれる時の期限を指定される際によく使用されます。
ただ、若い世代の昼職社員の間ではあまり使われません。この用語をよく使うのは、むしろ中高年のベテラン社員などが多いでしょう。
使用例は、「この仕事、なるはやで頼むね」「なるはやって言ったのに、まだこの仕事終わってないの?」などです。
プライオリティ
プライオリティとは、優先順位を指します。昼職で仕事をする際、様々な業務を同時進行で行う必要がある場面も多々あります。
例えば1日のタスク(やらなければならないこと)の中で、取引先にメールする、上司に仕事の報告をする、請求書を作る…などです。様々な業務の中で、どの仕事から手をつければいいのかを整理しておけば、効率的に仕事がこなせます。
このような時、「何にプライオリティを置くか」という使い方で、「どの仕事に優先順位をつけて、まずは何から動けばいのか」を意識する必要があるということです。
使用例は、「今日はタスクがたくさんあるから、まずはプライオリティを考えて動いてね」「顧客のプライオリティを考えて動かないと、売り上げは伸ばせないですよ」などです。
マネタイズ
マネタイズとは、何かをお金に変換するプロセスのことです。例えば、あなたが英会話教室の営業職に転職したとしましょう。「今なら1回分のレッスンが無料!」という広告を出して、無料レッスンを受けに何人かのお客様がきました。
無料レッスン目当てに来たお客様に対し、「今日来てくれた人だけ、次回からのレッスンが3割引になります」と、生徒になるように勧誘します。ここで有料レッスンに入会してくれる人がいたら、それが「マネタイズ」です。
無料のものを有料にして、お金のやりとりを発生させるのがマネタイズだと言えます。
使用例は、「どうしたらこのサービスでマネタイズできるか考えておいて」「この前の案件は、思ったよりマネタイズできなかった」などです。・
トップダウンとボトムアップ
トップダウンとは、組織の上層部から下層部に向けて一方向的に指令を下すことです。これに対してボトムアップとは、組織の下層部から上層部に向けて意見を発信することを指します。
昼職の企業の組織は、夜職よりも階層がたくさんあり、役職もたくさんあります。昔ながらの年功序列の企業ほど、トップダウンの傾向があり、社長が言ったから…という理由だけで決定事項が覆されることがよくあります。
これに対して風通しのよい企業では、現場の声が社長や管理職に届きやすく、実際に意見が取り入れられやすいという傾向があります。
使用例は、「あの会社はトップダウンだからね」「ボトムアップで社長が就業規則を変えて副業オッケーにしたんだって」などです。
落とし込む
落とし込むとは、反映させる、当てはめるなどの意味を含むビジネス用語です。意識高い系の社員がよく使用する用語であり、年配の社員が使うことはあまりありません。
他社で使われている成功事例を、自分の会社でも使ってみるという場合、「A社の成功事例を弊社に落とし込み…」というように使われます。
その他の使用例は、「テレビで出した広告をネット広告に落とし込んでみたら?」「アメリカで成功している○○という手法を自社商品に落とし込んでみました」などです。
NR
NRとは、会社に戻らずに帰宅することを指します。NRは、No Return(戻らない)という意味の英語の略です。営業職に転職すると、ホワイトボードや社内で使用しているグループウェア(ネット上の連絡板)によく書いてあります。
そのため、このビジネス用語については、口頭で使用はしません。ホワイトボード上の使用例は、「佐々木 NR→翌朝直行(佐々木という社員が、営業で外出して今日はもう会社に戻らない。翌日は取引先に直接行くので、朝に出社しないという意味)」などです。
まとめ:昼職転職で動揺しないために、ビジネス用語を覚えておこう
昼職に転職すると、この記事で紹介してきた用語のほとんどを実際に使っている人が多いことがわかるでしょう。転職先で働いている先輩社員たちは、みんな当たり前のようにビジネス用語をやり取りしています。
あなたが転職したばかりでも、相手は「分かって当然」というスタンスでビジネス用語を使ってきます。昼職で浮いたり、動揺してしまわないよう、転職する前にこの記事で紹介してきた10のビジネス用語を覚えておきましょう。