キャバクラで最後まで綺麗に勤め上げ、きちんと店長から送別してもらえるキャバ嬢は、年々少なくなってきています。

新宿歌舞伎町のような一等地であっても、キャバ嬢がお店からいなくなる時は、引退よりも飛ぶことの方が多いでしょう。

特にキャバクラはやめるのが大変という噂も多く、大変なことになるくらいなら突然姿を消す(=飛ぶ)方がいいと判断するキャバ嬢が多いのです。

そこで今回は、実際に飛んだ経験のあるキャバ嬢の体験談をベースに、飛んだらどうなってしまうのか、また飛ぶ際に気をつけたい注意点を紹介します。

体験談からのリアルな「その後」!飛んだら一体どうなってしまうのか?

佇む女性

キャバ嬢側からしても、やめるときにできるだけ揉めることなく、スムーズに辞めたいと思っているものです。

それでも飛ぶことを決意するからには、それなりの理由があります。

ここでは、実際に飛んだ経験のあるキャバ嬢の体験談を紹介しながら、飛んだあとに待っている状況について解説します。

ケース1:LINEが1日で324件!恐怖のスタンプ連打で精神的に追い詰められたAさん

Aさんは新宿歌舞伎町のとある有名なキャバクラ店で勤務していました。

ところが、ある日急に腹部に違和感を感じたものの、受診するのが面倒に思ったAさんは、そのまま症状を感じているにも関わらず放置。

その2週間後に救急車に運ばれる事態となりました。

診断はアルコール性肝炎で、病状はかなり深刻とのこと。

Aさんはさすがにこのまま働くことはできないと感じ、その日お店の店長にLINEを入れました。

「すみません。肝炎で救急車で運ばれて、しばらく静養の必要があります。急なことで申し訳ないですが、今回をもって引退させてください。」このように送ったAさんは、次に返ってきた店長からの返信を見て愕然としました。

ウソつきばっかりで聞き慣れてる。いいから今日も来い。

本当に救急車で運ばれたAさんの病気のことは最初から信用せず、引退も考慮することなく取り下げられてしまったのです。

Aさんはその後経過観察となり、当日退院しました。

「今日だけは、ちょっと本当にきついから休ませてもらいます」と送ったLINEはすぐに既読になり、以下のような不穏なことを言い残してLINEが途絶えました。

今日来なかったら、考えあるから

店長の気性の荒さを知っていたAさんは、本当に今日行かなかったらどうなるかわからないと思ったものの、どうしても体が辛く、LINEを無視して自宅で寝ていました。

出勤時刻ちょうど、店長からは「今どこ?」「まだか?」「は?ふざけてんのか?」など、短文のLINEが大量に送られてきます。

怖くなったAさんはしばらくスマホを見ずに布団をかぶって震えていました。

気がついたら薬の影響もあって寝てしまったAさんが次に見たときには、未読が324件。

ほとんどが怒りを表す物騒なスタンプで埋め尽くされており、Aさんは恐怖を感じました。

その日からAさんはそのキャバクラを飛んだのですが、しばらくは1日数百件のLINEが嫌がらせのように続いたそうです。

AさんはLINEの通知が来るたびに怯え、ついにはスマホを変え、引っ越しをして、今は全く違う昼職として働いています。

ケース2:実家に見たこともない男性が!今でも恐怖を感じているBさん

怯える女性

Bさんは、いわゆる地方都市の繁華街にあるキャバクラで、初めてキャバ嬢の仕事をしていました。

まだ大学4年生で、実家から通っていたBさんは、もちろん親には内緒で、ちょっとしたお小遣い稼ぎが目的でキャバクラでのバイトを始めたそうです。

しかし、ある変なお客さんにストーカーのようなことをされて、大学からの帰り道をつけられ、「BちゃんってK大学なんだね?」と言われた日に、背筋に寒気を感じて、キャバクラのバイトはもうやめようと思いました。

ところが、初めての夜職だったため、辞め方がわからず、また店長に言っても辞めさせてもらえなかった先輩キャバ嬢を見ていたので、相談したら辞めさせてもらえないだろうと思っていました。

そこでBさんは、大学がお客さんにバレた次の出勤から飛んだのです。

初めて変なバイトの辞め方をしたので、Bさんも後ろめたい気持ちがあり、ずっと気になっているまま、出勤するはずの日を迎えました。

その日は特に何もなくすぎたので、「よかった。キャバクラって飛ぶ人が多いから、気にしてないのかもしれない。私は稼ぎ頭でもなかったし。」と自分で自分を納得させていたBさん。

しかしその翌日の夜、お風呂に入ろうと準備していたBさんの耳にチャイムの音が聞こえました。2階にある自室から聞き耳を立てていると、玄関に出た母親の「どなたですか?」という声が聞こえます。

Bさんはそのとき、生きた心地がしなかったそうです。

なぜなら、母親はBさんも全く知らない、でも明らかに反社会勢力の男性と話していたからです。

その男性は下記のように言っていたそうです。

ここにBさんっていますよね?娘さんかな?今日バイト来てなくて、心配して迎えに来たんですよ

Bさんは直感で「あ、飛んだからだ」「履歴書に正直に住所書いたからだ」とわかりました。

戸惑う母親は「Bは今、バイトしてませんけど」と言うと、

お母さーん!知らんだけですよ!娘さんのバイト!!

と、あからさまに脅しに来ています。

もう終わりだ、いうこと聞いて行くしかないと思ったBさんでしたが、そこで5つ上の兄が割って入りました。

「バイト行かなかったのは悪いですけど、だからってわざわざ自宅にくるっておかしくないですか?もしこれ以上お話あるようでしたら、警察呼びますけど?あと、許可してないのに玄関まで勝手に入ってくるのは犯罪ですよね?」と一喝する兄の声を聞いて、本当に飛ぶということがどれだけのリスクがあるのかを思い知ったそうです。

結局、男性は兄からの一喝を受けて「警察」というキーワードに後ろめたいことがあったのか、そのまま「Bさんによろしく」と言って帰ったそうです。

兄はその後Bさんの部屋に来て、「どんなバイトかは大体想像つく。でも辞められんようなバイトは最初からするな。これ以上揉めるなら警察行く言うて、きっちり辞めろ。」とアドバイス。

Bさんは電話でお店に連絡し、しばらくゴタゴタはあったものの、やめることができました。

しかし、今はその年上の兄も結婚して家を出ていて、住所は相変わらずお店にあるまま。

Bさんは、いつかまたあの男性が家に来るのではないかと怯えているそうです。

ケース3:まったく何の問題もなくやめることができたCさん

キャリーケースを引く女性

ここまでは飛んだあとにとんでもなく怖い体験をしてきたケースを紹介してきましたが、飛んだあとに何事もなく終わるケースもあります。

Cさんは20代後半で昼は会社員、夜はキャバ嬢というように、副業としてキャバクラで勤務していました。

店長とはつかず離れず、店内での稼ぎはあまりいい方ではなく、それでも「Cちゃんは昼(の仕事)もやってるから仕方ないね」と気を使われるような感じだったと言います。

ところがある日、昼職の方で大きな失敗をしてしまい、上司からこれ以上ないくらいの叱責を受けました。

Cさんはかなり精神的に落ち込み、キャバクラに出勤して明るく振る舞うのは無理だと思えるほどに落胆したそうです。

そしてその日を境に、キャバクラに出勤するのを辞めてしまいました。

店長からは3回ほど電話がありましたが、そんな電話に出る気力もなく、ずっと放置していると、もう電話も来なくなったそうです。

1ヶ月ほど時間が経って、Cさんの気持ちも落ち着いた頃に、Cさんは初めて「あ、これが飛ぶってことか」と自覚したと言います。

Cさんが自分で考えるには、「年齢的にも引退すべき年だったのと、稼ぎもそれほどではなかったから、なんとかしてつなぎ止めようとも思わなかったのではないか」ということです。

もう自分から連絡することも疲れてしまい、会社もそれを機に辞めて、今はまったく違う昼職の仕事に転職して、ゆったりストレスのない生活をしているそうです。

トラブルは回避しないと後が大変!飛ぶ際の注意点を紹介

ポイント解説する女性

ここで紹介したケース以外にも多いのが、お店の人間関係に疲れてしまって、他の店に移るのに、言いづらくて飛ぶというものです。

こういう場合は、同じエリアで勤務し続けるとお店の間同士で揉め事に発展することもあり得ます。

また、この記事で紹介してきたように、実家に押しかけられるなどの事態にも発展する可能性があるため、飛ぶ際には次のようなことに注意しましょう。

実家の住所は履歴書に書かない

ここで紹介したBさんのように、履歴書に実家の住所を書くと、タチの悪い人がお店の後ろにいる場合、平気で実家を訪ねてくることがあります。

多くは親に内緒でしていることが多いキャバクラのバイトですから、履歴書に住所を書くなら一人暮らしするようにしましょう。

また、反社会勢力が運営する店舗かどうかは、お店を出入りする人の特徴である程度見分けることができます。

入店する際に自分で確認を取るのも良いでしょう。

出来るだけそのようなお店には最初から勤めず、クリーンなお店を選ぶというのもオススメです。

飛んだらLINEはブロック!またはスマホをかえる

飛んだその後は、どんなに連絡が来ても精神的なダメージを受けないように、LINEをあらかじめブロックしておくか、スマホをまったく新しく購入することもオススメです。

大体がLINEなどの連絡ツールを使っているので、連絡手段がなくなれば、お店としても追いかける方法が減ります。

なんとか連れ戻したいけど、家まで行くのは面倒だったり、家まで行くと警察に相談されてしまうかもしれないという後ろめたさがあるので、LINEが通じないとそのまま音信不通になることが多いからです。

理想は店長の合意を取ること!ときには噓も方便

飛ぶのは最終手段として、まずは店長と辞めることの合意を取ることが理想です。

これができていれば、飛ばずに済むだけでなく、飛ぶことによるリスクを自分で背負わずにすみます。

言っても辞めさせてもらえないという場合は、結婚や妊娠など、「仕方ない」と思ってもらえるような理由を挙げて辞めるという手もあります。

日常生活が脅かされるよりは、噓も方便で綺麗に辞めた方が、あなたにとってもお店にとってもいいはずです。

まとめ:飛ぶと追いかけられるリスクあり!相談できる人と飛ばずに辞める理由を見つけよう

まとめ

お店側からしても、売れっ子がいきなりいなくなることによって、お店の売上がかなり減り、直接被害を受けることになるため、飛ぶことは受け入れがたい事実です。

しかし、労働するキャバ嬢側には、働く自由もあれば、辞める自由もあります。

辞める自由を許さないお店では、飛ぶことも必要かもしれません。

ただ、飛ぶことによってこの記事で紹介してきたような物騒な目に遭う人がいるのもまた事実です。

できれば飛ぶ前に、飛びたい理由や、上手に辞める方法を相談できる相手を見つけて、あらかじめ一緒に問題解決してもらえると良いでしょう。

どうしても飛ぶ必要がある場合は、お店からしつこく連絡が来ても精神的ダメージを受けないように、スマホをまったく新調するなどの対策をしておくことをおすすめします。