現在夜職から昼職へ転職を考えている人の中には、転職後のお財布事情が心配…という人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、高時給の夜職と比べて昼職の給料が安いのは本当か、また昼職と夜職で働く女性のリアルなお金事情と、昼職の女性の仕事に対する考え方について紹介します。

昼職に比べて安い?高い?夜職のリアルなお給料事情

夜職の仕事しか経験のない人ほど、昼職と比べてどれほど夜職の給料が恵まれているか、気がつきにくいものです。ここでは、実際に夜職として働く女性のお給料事情について紹介します。

短時間労働でも高時給で生活を維持しやすい

同じアルバイトでも、昼職の場合は最低賃金が厚生労働省によって決められています。例えば東京都の場合、2019年度の最低賃金は1,013円です。
(参考:https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/news_topics/houdou/20190830chinginka.html)

新潟県の場合は830円となっています。(参考:https://jsite.mhlw.go.jp/niigata-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/tingin_kanairoudou/chingin.html)

このように、住んでいる地域によって、最低賃金は大きく異なります。地方都市で暮らしている人ほど、働いても働いても生活が楽にならないという人も多いのです。

一方で、夜職の場合、時給は最低でも2,000円のところが多くなっています。通常の昼職と比較しても、約2倍の違いがあることがわかります。

夜職の場合は、保証期間というものがあり、一定期間は時給3,000円を保証してくれるお店も多いものです。このように考えると、確かに夜職の方が時給換算した場合にはお金のゆとりができると言えるかもしれません。

賞与もない!退職金もない!将来が不安になる給与体系

上記のように、高時給なことには間違いありませんが、夜職で心配なのは時給以外の給料面です。インセンティブで指名料などが懐に入ってくるとはいえ、昼職のようにボーナスが入ってきません。

昼職のボーナスは、月給の2ヶ月分、大企業の場合は4ヶ月分という大きな金額になります。しかも夜職には退職金もありません。

昼職の場合、企業に退職金制度があれば、勤続年数に応じて何百万円から何千万円という退職金が支給されます。

夜職と昼職では、勤続可能な年数が大きく異なるため仕方ありませんが、そもそも夜職には退職金という制度自体がないのですから、昼職と比べて大きな給料の違いとなるでしょう。

低賃金で悩む人はダブルワークもあり!昼職のリアルなお給料事情

昼職の人は、夜職の人と比べてどれくらいのお給料をもらっているのでしょうか?統計上の表面的な事情ではなく、実際に昼職として働いている女性のリアルなお給料事情を紹介します。

思ってたより少ない?!昼職は手取り14万円も珍しくない

夜職の時給が高いという事実は、体験すればすぐにわかることですが、昼職の給料が意外と安い会社が多いということは、実際に転職してみないと分かりにくいのではないでしょうか。

最低賃金の高い東京都で1日に8時間、1か月に20日間働いたとしましょう。この場合の月給は、1013×8×20=162,000円となります。ただ、ここから社会保険料などが源泉徴収された結果、手取りは140,000円ほどしか残りません。この金額を少ないと見るか、そうでもないと見るかは人それぞれでしょう。

しかし、夜職で月収30万円、40万円を稼いできた人から見れば、「意外ともらえるな」と感じる人は少ないのではないでしょうか。

もちろん、上記は最低賃金での計算ですから、実際にはもっともらえる人もたくさんいます。ただ、もっと給料がもらえる人は、スキルや経験、有用性の高い資格があるなどの理由があるのです。

営業職ならインセンティブ上乗せで高収入も可能

夜職で給料をアップさせるためには、より多くの指名をもらったり、より高いドリンクの注文を受けたりする必要があります。

つまり、キャストを雇用しているお店側にとって、より多くのお金を使ってくれるお客様をたくさん連れてきてくれるキャストほど、1時間4,000円などの高時給を支払う価値があるということです。

昼職の中でも営業職の場合は、夜職と同じような制度があります。それが「インセンティブ(成果報酬)」です。たとえば保険の営業の場合、1件の新規契約につきいくらというように、インセンティブが基本給に上乗せされて支給されます。

昼職は稼ぎが少ない、刺激も少ない…と誤解されがちですが、会社の花形・営業職なら、自分の頑張り次第では夜職時代の収入に肩を並べるどころか、夜職時代を上回ることも可能です。

キャリアアップで手取りは上がる

営業職以外でも、昼職ではキャリアアップしていくたびに給与が増えていきます。たとえば仕事内容に直結する国家資格を取得したり、管理職に就いたりすることなどが挙げられます。

しかし、令和になったとは言え、日本はまだまだ年功序列の世の中のため、若いうちは収入に満足できない人がいることも事実です。

賞与や退職金制度もある昼職では、長く勤務すればするほど給料が上がっていくというシステムが出来上がっているのです。

一部の外資系企業やベンチャー企業では、このような年功序列を廃止し、徹底的に実力主義を追求する会社も少なくありません。上記のような外資系やベンチャー企業では、若くても実力があれば給料をアップさせることができるでしょう。

ダブルワークで手取りを上乗せする人も多い

昼職で正社員ではなくパートやアルバイトとして働いている人もいます。非正規雇用で働く人ほど、給与面で不満を抱えやすいものです。

アルバイトやパートだけでは、最低賃金が守られているとはいえ、生活するのが苦しい…という人もいます。

このような場合、多くの人が副業やダブルワークで給料を自ら「増やして」いるのです。アルバイトを掛け持ちしたり、本業とは別に「Uber Eats」などの副業をしたりして、生活苦を乗り越えています。

本業をこなして、空いている時間を有効活用すれば、昼職で手取りが少なくてもやっていけるほどの給料を得ることができるでしょう。

まとめ:太く短くの夜職vs細く長くの昼職

夜職は確かに短時間労働でも高時給のため、効率的に高い給料を稼ぐことができます。

しかし、夜職で居続けるには、年齢的な制約を強く受けたり、心身の不調に耐えられなかったりと、長く続けることが困難であることも事実です。

太く短く稼ぐ夜職に比べて、昼職は時給に換算すると夜職まではいかなくとも、年をとっても長く続けられる仕事だと言えます。

70歳を定年とする国策もささやかれている中、長期的に働けるという点は昼職の大きなメリットになるでしょう。

これらのことを総合して、今の夜職をいつまで続けるか、昼職に転職すべきかどうかについて考えてみることをおすすめします。