ホステスの仕事をしていると、ドリンクバックや売上バック目的で、どうしてもお酒を飲まないといけない…というシーンも多いと思います。

しかしお酒を飲むと「会話に身が入らない」「指名までに頭が回らず非効率な営業になる」などの弊害もあり、注意が必要です。
そこで今回は、お酒を飲まなくとも人気になれる、一流ホステスの会話術について解説して行きます。

心理学をたくみに使いながら、顧客からの人気を掌握するために役立つ褒め方や会話法を理解しておきましょう。

売れてるホステスほどお酒を飲んでいないという事実

夜の仕事という一括りにしていると、ホストのように「お酒を飲んで、顧客にも飲ませた方が稼げる」と思っている方も多いかもしれません。

実際、キャバクラやラウンジでは、ドリンクバックという特殊な報酬があります。顧客が注文したドリンクの金額の数%が、ホステスやキャバ嬢の報酬となって入ってくるというシステムです。

売れていないホステスほど「何か頼んでいい?」と顧客に甘えて、自分もお酒を飲んでしまう…という人が多いのです。お酒に強くない人の場合、アレルギーのような症状が出たり、翌日の体調に悪影響を及ぼすこともあります。

ここで注意したいのが、売れているホステスもお酒を飲んでいるのか?ということです。

実は、一流のホステスほど、自分自身はお酒を飲んでいる量が少なかったり、中には自分は全く飲まずに高い報酬を得ている人もいます

歌舞伎町や六本木で夜職を経験し、月に1000万円稼いだこともあるホステスもいて、高い報酬や、人気を得るために、必ずしもお酒が飲める必要はないということがわかります。

このようなホステスは、必ずと言っていいほど会話術が非常に優れています。初対面の人でもすぐに打ち解けて、会話が続いたり、会話がなくてもなぜか雰囲気が良くて顧客が楽しそうにしている場合、そのホステスはお酒を飲まなくても稼げています。

売れている人にたくさんお酒を飲む人がいるのも事実ですが、「一流」と呼ばれるホステスは、飲まなくても指名がバンバン取れるというのも事実なのです。

一流ホステスの会話術!心理学をたくみに使ったテクニックを解説

一流ホステスが実際の席でどのような話をしているのか、きちんと聞いたことがある人は少ないかもしれません。ヘルプで一流ホステスにつくのが手っ取り早いのですが、身近にそのような人材がいないという人も多いでしょう。

そこでここでは、一流ホステスの会話術について、話の内容や話し方などについて具体的に紹介していきます。

一流ホステスに学ぶ会話のテクニック
  • 天才型と努力型の違い
  • 聴く力で顧客に話をさせる
  • 話す力で顧客を引き込む
  • 圧倒的なお酒の知識
  • 知らないことを知らないと言うスキル

一流ホステスには生まれ持った天才型と、努力の秀才型がいる

売れているホステスの中には、無意識というか、天然の「人たらし」と呼ばれる人もいます。何か計算している訳ではなく、生まれ持った性質や経験で、人気者になる人で、天才肌のホステスです。

一方、きちんと計算して人気を集めているホステスもいます。この場合、プライベートで心理学を勉強したり、先輩ホステスにコツを聞き出したりと、努力型の秀才と言えるでしょう。

あなたがもしもお酒を飲んでも指名が取れなかったり、ありのままでは人気が出ない場合には、後者の秀才タイプを目指すことをお勧めします。

会話術1:聴くチカラで顧客に話させる

一流ホステスは、とにかく聞き上手です。

単にこれだけだと「そりゃそうでしょ」と思うかもしれません。しかし、一流のホステスがやっているのは、「傾聴」です。

傾聴とは、相手に無条件で興味関心を持ち、「自分がこの人だったら…」というように、まるでその人になったかのような視点で話を聴くことです。傾聴は心理カウンセリングの技術でもあり、相手に話をさせる効果があります。

「無条件で関心を持つ」というのは、「面白い話だったら聴く」「イケメンの顧客の話だったら聴く」「太い顧客の話だった聴く」というような差別はせず、相手がどんな顧客であっても、関心を持って話を聴きます

実際にはこれが非常に難しく、素の自分では興味を持てない話は聞きたくない!と思い、ついつい聞き流してしまう人も多いでしょう。よくある夜の仕事の「さしすせそ(さすが!、知らなかった!、すごーい!、センスいい!、そうなんですね!)」では、傾聴はできません。

実際の会話場面で考えてみましょう。

「実は僕、電車が好きで・・」と話し出した顧客には、「電車が好きなんですね!私も良く乗るけど、電車のどのあたりが魅力なんですか?」というように、相手が言ったことをオウム返しのように繰り返して会話を始めます。

相手が話し出した内容について深掘りする質問を追加して返すことで、「私はあなたの話に興味がありますよ」「あなたに関心がありますよ」という意識を会話で演出することができるのです。

よくやりがちな「何か面白い話ありますか〜?」と言った質問ではなく、「◯◯さん、ここ初めてですよね?◯◯さんのこと、もっと知りたいから、◯◯さんがどんな人か知りたいな!」という穏やかに関心を示す会話術を使いましょう。

会話術2:話すチカラで顧客を引き込む

聴くチカラがあれば、お酒を飲まなくてもかなり顧客の心をつかみ、人気を集めることができます。しかし、聴いてばかりでも間が持たなくなるとお酒に頼らないといけなくなる状況が発生してしまいます。

そこで話すチカラを鍛えることで、場を持たせることができます。これも一方的に自分の話をするというような、ありふれたことでは効果を発揮しません。

「昨日ネイルに行ったんだけど、そのお店が・・」というように、相手が興味を持っているかどうかわからない話をして間を持たせようとする人がいますが、これでは人気は出にくいでしょう。

自分から何かを話すときには、相手の話の流れで話すのが理想的です。相手が「趣味は登山で、大学の頃も◯◯山とか、よく登ったよ」など、自分の情報を出したらチャンスです。

「登山って、体力いりますよね!◯◯山って私も学生の頃修学旅行で行きましたよー!」など、会話からつなげるのが本当の話すチカラです。修学旅行の話をして、相手の修学旅行の話を聞き出して、楽しい思い出を共有するという流れができれば理想的でしょう。

決して自分だけの話をするのではなく、相手が興味のある範囲を出ないということがポイントです。顧客の表情を見て、自分が話している内容が顧客の興味の範囲を超えていないかどうかをさりげなくチェックするようにしましょう。

会話術3:圧倒的なお酒に対する知識

高級クラブやラウンジなどでは、女性と会話するという目的のほかに、美味しくお酒を飲みたいという目的で訪れている顧客もいます。このような場合は、お酒の会話術が必要です。

ビール、カクテル、ウイスキー、焼酎、日本酒など、幅広いお酒の知識が必要になります。実際、一流ホステスの中でお酒は飲めなくても、お酒の知識がないという人はいません。

また、顧客が美味しいと思う好みの情報も必要です。ロックなら氷はどれくらいの量がいいか、水割りなら薄め・濃いめのどちらが好みか、最初はどんなお酒から入って、中盤、終盤にかけて飲むものがどのように変わっていくかという情報です。

知識と情報の両方があれば、お酒についての会話が弾み、自分ではなく顧客に美味しくお酒を飲ませることができるでしょう。上手にできるようになれば、ドリンクバックを得ながら、自分は飲まなくても、毎回指名が取れるようになります。

会話術4:知らないことを知らないというスキル

知識や情報を身につけることは、一流ホステスなら誰もがやっていることです。しかし、だからと言って知ったかぶりをするのは、会話術としてはNGです。

なんでもかんでも、「私も知っています!」「わかります!」と返すと、男性としては面白くないと感じたり、「本当に知っているのか?」と疑われることもあります。自分が知らない話題が出たら、「それ私、初めて聞きました!教えてください!」と甘えることで、男性の話とお酒も進みます。

無知をひけらかすのではなく、「知らないけど、知りたい!」という姿勢が、顧客を気持ちよくさせ、もっと会話したいと思わせるポイントなのです。

裏ワザ:ヘルプで入らず指名を取り続ける好循環

クラブやラウンジでは、ヘルプ制度があります。

ヘルプに入ってしまうと、どうしても「盛り上げ役」に徹する必要があり、必然的にお酒を飲む役回りになってしまうことが多いものです。しかし、もしもあなたがお酒を飲まずに人気を得たいと考えているなら、ヘルプで入ることは極力避けることをお勧めします。

稼げないから仕方なくヘルプで入るというケースが多いと思いますが、全くヘルプに入らないのではなく、少しずつ上記で解説してきた会話術で指名を取り、ヘルプで入る割合を減らしていくのです。

こうすることで、ヘルプで入るよりも指名で入ることが増え、お酒を飲む量も減らすことができ、より多くの報酬を得ることができます。ヘルプでいいか、という意識ではなく、会話術を駆使して指名をとる!という心構えが必要なのです。

まとめ:聴いて、話して、顧客に興味を持てば、お酒を飲まなくても人気は出る!

容姿がいいホステスは、何もしなくても最初のうちは人気を集めることができます。若いホステスも同じように、最初のうちは人気でいられるかもしれません。

しかし、長期間にわたって、太い顧客を持ち続け、より高い報酬と人気を得るためには、会話術を駆使するのは必須です。

容姿や若さがなくても、会話術でカバーできれば良いのです。もちろん、容姿が良くて若さもあり、さらに会話術を身につけることで、自分史上最高の報酬を得ることもできます。

今回紹介してきたように、顧客に無条件に関心を持ち、聴くところは聴いて、話すところは話すというように、会話術のテクニックをコントロールして自分で使いこなしていけば、初対面のお客様の心もつかみ、常連のお客様を手放さないようにすることができるでしょう。