同じ水商売というくくりでも、スナックとキャバクラでは、仕事内容や時給の水準が異なります。

これから水商売で働こうと考えている人にとって、水商売に何を求めるのか、またどちらで働くかで満足度が違ってくるでしょう。

そこで今回は、スナックとキャバクラの違いについて、仕事内容や働き方、時給面から解説していきます

同じ水商売でも仕事によっては待遇が全く違う

昼職から夜職に転職する人の中には、水商売はどれも一緒、と思っている人も多いものです。夜職の経験が長い人でも、「自分が働いてきた仕事以外の種類の水商売についてはよくわからない」という人も多いでしょう。

しかし、水商売には実際様々な種類があり、働き方も時給の水準も違います。一番わかりやすいところで比べてみると、高級クラブとスナックの違いです。

高級クラブの場合、そもそも時給制ではなく日給制のところが多くなっています。高級クラブは、東京や大阪などの人口密度が極めて高い都市の中でも、地価の高い一等地に店を構えるクラブです。

出入りするお客様の客単価も何百万円になることもあり、キャストへの報酬も桁違いです。高級クラブでは6時間程度の勤務で日給3万円のところも珍しくありません。一方、スナックは場所にもよりますが、あまり差が出ないように都内でいうと、時給1,600円〜1,800円のところが多くなっており、これだけでも待遇の違いがわかるでしょう

ただし、高級クラブは容姿やトークスキルのレベルも高いものが要求されるため、面接で落とされることも珍しくありません。しかもドレスやバッグなど、身に着けるものも一流を求められます。

そういった努力が苦ではない人は高級クラブもいいかもしれませんが、長期的に働ける人はごく一部です。スナックやキャバクラは、高級クラブのような高収入は得られませんが、その代わり働きやすい環境があります。

キャバクラとスナックを徹底比較!何がどこまで違うのか?

キャバクラもスナックも、水商売の中では店舗数が多く、仕事が見つけやすいという共通点があります。その反面、働き方や環境で相違点もたくさんあります。

ここでは、キャバクラとスナックの違いについて、わかりやすく紹介しましょう。

時給の違い

キャバクラもスナックも、「お店がどこにあるのか」という立地条件によってピンからキリまで差があります。今回は、立地条件による違いを含めると、単純にキャバクラとスナックの違いを明確に説明できないため、東京都内で統一します。

キャバクラとスナックの時給を比較すると主に以下のようになります。

キャバクラの時給 3000~4000円
スナックの時給 1600~1800円

キャバクラの時給は3000~4000円になり、経験や成績によって少し幅が広くなっていますが、1時間でこれほど稼げる昼のバイトはないでしょう。

スナックの時給は、先ほどご紹介したように、1,600円〜1,800円程度です。キャバクラの半額程度になってしまいます。

働き方の違い

キャバクラとスナックは、似ているようで、実は営業形態からしてまったくの別物です。それが働き方の違いにも出ています。

キャバクラは「接待」をともなう営業です。ボックス席などで、お客様の隣や向かいに座って会話でおもてなしを行う「接待をともなう風俗営業」と分類されます。

一方、スナックは「接客業」に分類されます。キャバクラとの違いは、お客様の隣に座るか、カウンターを挟んでの営業になるかという点です。

スナックでは、カウンター席でも、ボックス席でも、基本的にお客様の隣には座らず、必ずカウンターやテーブルを挟んで向かい側に座って会話をします。このような働き方の違いが、営業形態の違いにもつながっているのです。

制度の違い

キャバクラとスナックでは、お客様が使用できる制度にも違いがあります。

キャバクラには「指名制度」「アフター」「同伴といった制度があり、お客様の自由で、あるいはキャバ嬢の意思によっても使われます。指名制度では、特定のキャバ嬢を指名し、指名されたキャバ嬢には指名料が入る仕組みです。

それぞれの違いとは?
  • アフター⋯⋯お店での営業後に、他の場所(主に飲食店)でのお付き合いを指します。
  • 同伴⋯⋯出勤前にお客様と他の場所で飲食をともにすることを指します。

アフターも同伴も、次の指名を確実にし、お客様を囲い込むための有力な営業方法です。

スナックでは、このような制度がありません。

指名もアフターも同伴もなく、お客様の接客はお店でだけという形が一般的です。キャバクラでは勤務時間外の仕事もあるのですが、スナックではそれがないという点で違いがあります。

年齢層の違い

キャバクラではキャストの年齢層に若さが求められます。そのため20代前半の層がもっとも厚く、それ以降の年代は徐々に薄くなっていくイメージです。

キャバクラで30歳を越えてバリバリ働いている人は少なく、20代後半になると徐々に活躍の場を他の水商売に移していくことが多くなっています。

一方、スナックでは若い年代は少なく、30代以降の女性もたくさん活躍しています。スナックでお客様に求められるのは、キャピキャピした若さよりも、ゆっくりと落ち着いて話せる落ち着いた雰囲気です。

仕事や家庭の愚痴を聞いてもらって、「次の日からまた仕事を頑張りたい!」というお客様はスナックに行き、「若くてキレイな女の子と楽しくおしゃべりしたい!」というお客様がキャバクラに来る、というように、お客様がお店に求めるものが異なるため、結果的にキャストの年齢層にも違いが出るということです。

料金体系の違い

キャバクラの料金体系は、1時間いくらという時間制で、最初のハウスボトルと、ちょっとしたおつまみがセットになった「セット料金」と呼ばれています。ハウスボトルとは、比較的安い価格帯の焼酎やウイスキーなどののボトルであり、これはキャバ嬢が手をつけることができません。

一方スナックの料金体系は、席料、ボトル代、ドリンク代です。キャバクラと違い、時間制ではないため、オープンからクローズまでずっといることもできます。スナックではハウスボトルではなく、ボトルキープの制度がほとんどです。

ボトルキープの場合、お客様が1本購入したボトルをお店で保管し、次に来店した際に追加料金なくお酒が飲めるというものです。

雰囲気の違い

お店の雰囲気もキャバクラとスナックでは違います。キャバクラの雰囲気は、明るく元気、若くてキレイなキャバ嬢がテンション高めに接客し、お客様も同じようなテンションでお酒と会話を楽しんでいます。

一方スナックは、アットホームでしっとりとして雰囲気のお店が多いと言えるでしょう。会話の内容も身近で、何度も通うリピーターが多いため、顔なじみとゆっくり飲む、という雰囲気です。

まとめ:若いうちに楽しく元気に稼ぎたいならキャバクラ、年齢を重ねてしっとり水商売を続けたいならスナック

これまで紹介してきたように、キャバクラとスナックでは、仕事内容、給与体系、料金体系、お店の雰囲気や働いているキャストの年齢層など、あらゆる面で違います

お客様の方も、キャバクラとスナックの違いをよくわかって来店されているので、働くキャスト側も、両者の違いをよく把握した上で、どちらで働くのかを決めるましょう。

あなたがまだ若く、テンション高めで元気に効率的に稼ぎたいならキャバクラで、あなたが30歳以上でちょっとゆったりとしたペースで営業したいならスナックで働くことをおすすめします。