夜職の経験は昼職で活かせる?夜職経験が生きる状況とは?

夜職から昼職に転職する場合に限らず、転職を考える際には、今の経験が次の仕事に活かせるかどうかについて考える人が多いでしょう。

今夜職として働いている人は、どんな状況なら夜職で身に着けたスキルや経験を活かせるのか、今のうちに洗い出しておくことで、転職活動を優位に進めることができる可能性が高くなります。

そこでこの記事では、昼職で夜職の経験が活かせるのか、また夜職の経験が生きる5つの状況について紹介します。

昼職に転職するなら現職の経験を活かすことは鉄則!

昼職に転職するなら現職の経験を活かすことは鉄則!

未経験OKという転職条件でも、複数の人が応募した際、企業側が採用するのは、「少しでも経験がある方」です。

まだ昼職の経験がないという人の場合、夜職の経験が活かせる状況がある仕事を目指すことで、転職活動を有利にすすめることができるでしょう。

また、30代で夜職から昼職に転職を希望する人の場合、夜職と共通点のある職種を選ぶことで、夜職の経験を活かして働けることを応募書類や面接でアピールできます。

夜職は大きなくくりで「サービス業」「接客業」といえます。あるいは、夜職を「対人場面の多い仕事」だと考えれば、「営業職」とも共通点の多い仕事です。

このように、「サービス業」「接客業」「営業」などの仕事に転職すれば、以下で紹介する夜職の経験をより多く生かすことができるでしょう。

夜職で得られる経験とは?

夜職で得られる経験とは?

夜職として現役で働いていると、意外と自分で身に着けているスキルや経験が見えにくいものです。

「灯台下暗し」のように、夜職として働いているからこそ当たり前になっているものの、実は貴重な経験をしている人が多いのです。

さまざまな年代の人とのかかわり

夜職をしていると、20代の若いお客様から、80代以降の高齢のお客様まで、かなり幅広い客層を体験します。もちろん、店のタイプや、地域性もありますが、多くのお店で老若入り乱れた客層が展開されているでしょう。

特定の年代に固定されず、さまざまな年代の人と会話し、年代による話題の違い、喜ぶポイントの違いを体感することは、夜職ならではの経験だといえます。

女同士のいざこざをうまく切り抜ける

夜職では、表には見えないものの、裏ではキャスト同士のいざこざで悩んだことがない人はいないでしょう。

仲良くしているように見えて裏で陰口を言われたり、そもそも表立って無視されたり、カタチはさまざまですが、女同士だからこそ起こる人間関係のトラブルも多いものです。

昼職でも人間関係のいざこざはあるものの、夜職独特の女性同士のかかわり方とはまた異なります。夜職で女同士のもめごとに慣れていると、昼職でのもめごとが“かわいい”レベルに思えるでしょう。

相手が求めるものを察知する

夜職をしていると、お酒をつぐタイミング、表情からどのような言葉をかけてほしいのかなど、お客様が求めていることを察知しなければならない場面がたくさんあります。

「〇〇して」「〇〇についてどう思う?」など、直接的な質問からお客様が求めていることを知ることもできますが、間接的な表現を好む方や、回りくどい言い方をする方、言葉にはしないけど態度に出る方などへの返答の仕方も、夜職を経験した人ならではのうまい切り返し方を持っている人も多いでしょう。

そのような切り返し方は、相手が求める言葉や行動を察知しなければならない状況にあった夜職経験者だからこそできることです。

広い人脈を自分でつくる

夜職をしていると、さまざまな業種、職種の人と知り合うことができます。

土方、事務職、営業職、医療系専門職、有名企業の役職や代表取締役など、昼職ではなかなか知り合えない人々と人脈をつくるきっかけがたくさんあるでしょう。

夜職といっても、元々の性格など個人差はあるかもしれませんが、多くの出会いから、広い人脈をつくる経験は、昼職ではなかなかできないものです。

夜職の経験が生きる状況5選

夜職の経験が生きる状況5選

上記で紹介してきたのは、夜職ならではの経験ですが、これらの経験を昼職の仕事でも大いに生かすことができます。

そこでここでは、夜職で得てきた経験がどこで生きてくるのか、具体的に夜職の経験が活かせる状況を5つ厳選して紹介します。

1.転職面接

昼職に転職する際、どのような業種・職種でも面接試験があるはずです。そして、この転職面接の際に面接官になるのは、企業にもよりますが男性が多い傾向にあります。

この時、さまざまな年代の男性とコミュニケーションをとってきた夜職の経験を活かすことができるでしょう。もちろん、面接官が女性だけだったり、男性面接官の中に女性が混じっていたりすることもあります。

しかし、夜職の時も女性がお客様として来たという経験がある方も多いはずです。

面接官の年齢が自分より少し上でも、またかなり上でも、夜職の経験があると、過度に緊張せずに面接を受けることができます。

夜職の職場で話していることを思い出しながら、面接官と「会話」している感覚で言葉のやりとりをしているうちに、自分の良さを最大限伝えることもでき、面接中に緊張しすぎて無言になることもないでしょう。

2.社員間でコミュニケーションをとる

いざ昼職に転職すると、営業職のように表立って人と関わる仕事ではない事務職でも、実に多くの社員と話す、メールする、チャットするなどのコミュニケーションをとる状況に遭遇します。

どのような仕事でも、顧客間だけではなく、社員間でも円滑なコミュニケーションをとれる人は重宝されるものです。

社内行事をする、業務連絡をするなど、自分とは異なる性別、年代の職種の人とでも、夜職で得てきた「たくさんの人とかかわる・コミュニケーションをとった経験」を活かし、なめらかな会話を成立させることができるでしょう。

3.商談や社内会議など、相手の話を聴いて自分の意見を主張する

昼職に転職すると、人間関係を良好に保つための会話だけではなく、業務に関連する会話を交わす機会が増えます。

営業職の場合は、新規顧客や見込み客との会話、お得意様との商談など、ヒアリングを行って相手企業の要望をきき、自社製品やサービスを提供します。

事務職の場合でも、社内ミーティングが行われ、業務の改善点や、週・月の目標について話し合う機会があります。

社内ミーティングの場合、同じ部署に所属するメンバーが参加するため、「会議の後の人間関係」を良好に保つことを考えながらも、適切な自己主張をする必要があります。

夜職で培ってきた「相手の話を傾聴しながら、自分の意見を発言する」という経験を活かすことができる状況だといえます。

夜職時代に「こういうことがあったんだけど、どう思う?」とお客様から相談(愚痴も含む)をされた際、お客様が困っていること、悩んでいることに耳を傾けながら、「私だったらこうする」という意見を言う機会があった人も多いでしょう。

サービス職である夜職の経験は、このような大切な商談や、会議の状況でも活かすことができます。

4.営業職の新規顧客開拓

夜職ならではの経験でも紹介したように、夜職として働いていると、多くの業種・職種として働く人と会話する機会があり、コミュニケーションスキルを使って人脈を拡大できるチャンスがあります。

人脈をどう使うかは、昼職として転職する転職先にもよりますが、特に営業職のように人脈がそのまま売上につながるような仕事では重宝する経験になるでしょう。

新規開拓営業の場合、まずは家族・親族・友人…というように、身近な人に営業をかけて、それが終わると飛び込みで営業をかけることになります。
この時、夜職時代に築いた人脈があると、そのまま昼職でもその人脈を使って、次のアポイント先を増やすことができるでしょう。

5.カスタマーサポート

夜職として働いていると、お客様として来店する人の多くが、仕事での疲れや不満を抱えていることに気づきます。

中には、キャストのちょっとしたミスや、ちょっとした一言で怒ってしまい、お客様が落ち着くまでしばらく時間がかかった…という経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。

このような経験を夜職時代に重ねてしまうと、夜職を辞めるきっかけになる人もいるでしょう。しかし、この経験も昼職に活かすことができます。

夜職から転職しやすい仕事でもあるカスタマーサポートという仕事は、電話やメール、チャット機能などでお客様から来るクレーム、意見などに対応します。

夜職でクレーム、厳しい意見を浴びてイヤな経験をした人も、夜職と違ってお客様と実際に対面して話すわけではないため、ストレスがかなり軽減されます。

夜職の経験を活かし、「今コレを言ったらもっと怒るな」「謝罪するならここだな」という最良のタイミングを見分け、相手の気持ちを不用意にたかぶらせず、うまくクレーム処理することを実現できるでしょう。

まとめ:夜職と共通点の多い仕事なら、より多くの経験を活かせる

まとめ:夜職と共通点の多い仕事なら、より多くの経験を活かせる

転職活動を行うすべての人にいえることですが、現職での経験を活かせる仕事ほど、転職できる可能性が高いものです。

たとえば、ものづくりに徹してきた製造業の人が、何の経験もなしに銀行の行員(金融業)に転職したいと思っても、なかなか採用されにくいでしょう。

夜職から昼職への転職を希望するなら、まずは夜職から遠く離れた仕事ではなく、夜職との共通点がある仕事から検討してみましょう。

今の仕事では、「相手の希望・要望に気づく」「人脈がある」「多くの年代の人とかかわる」など、夜職ならではの経験をしてきた人も多いはずです。

このような経験を活かせる仕事を見つけて、採用担当者にアピールできるスキルがあれば、昼職への転職は難しくないでしょう。