昼職に転職したいけど辞められない。夜職を辞める際のトラブル対処法

夜職から諸事情によって昼職に転職しようとしているのに、辞める際のトラブルに見舞われて困っていませんか?

夜職は、入るのは簡単ですが、出る(退職する)時にはさまざまなトラブルが付きまといやすいものです。

そこで今回は、辞めたいのに辞められないなど、夜職を辞める際に起こりやすいトラブルと、それぞれの対処法について紹介します。

入るよりも出るのが大変!夜職退職の現実

入るよりも出るのが大変!夜職退職の現実

夜職の入り口は、体験入店です。1日お店に実際に出て働いてみるということです。

体験入店の前に店長からの面接があるケースがほとんどであり、外見や年齢、立ち居振る舞いなどがそのお店の基準に合わなければ、体験入店もできないまま終わります。

しかし実際には、面接をして体験入店に進まない場合の方が稀です。ほとんどの女性は面接を通過し、体験入店を経て、翌日から本格的に出勤します。

つまり、夜職の入り口は幅広く、よほどのことがない限りは入店すること自体、難しくありません。

問題は、出口、つまりお店を辞める時です。夜職の一部のお店では、辞めたい時に辞められないことから、「飛ぶ」女性も少なくありません。

「飛ぶ」とは、店長に前もって退職について何も言わないまま、二度と出勤しないことを指します。倫理的に考えれば、お店にも他のキャストにも迷惑がかかるよくない行為だということは明白です。

しかし、飛ぶ方には飛ぶなりの理由がある場合もあります。

たとえば、過去に退職を希望したキャストが店長にものすごく恫喝されている場面を目撃してしまったら、自分もそうなるんだと思って恐怖を感じますよね。辞めたいと言えば恫喝されると分かっていて、事前に辞めたいと率直に言える人は少ないでしょう。

そうなると、必然的に飛ぶことを決断する人が増えます。

夜職では、このように飛ぶ以外の決断ができなくなるほど、辞める時にさまざまな問題が発生しやすいという現状があるのです。

夜職を辞める際に起こりがちなトラブル3選

夜職を辞める際に起こりがちなトラブル3選

夜職を辞める時、どのようなトラブルに巻き込まれるのでしょうか。

知らずに退職希望を申し出てから大変なことになる前に、辞める際に生じがちなトラブルを3つ厳選して紹介します。

辞めたいと伝えたのに拒否された

勇気を持って辞めたいと店長に伝えたにも関わらず、聞こえないふりをされる人もいます。

また、退職希望の旨を伝えても、「今人足りないの分かってるでしょ。無理無理!」というように、退職することを拒否された人もいます。

どちらも退職を希望する従業員に対して、非常に誠意のない対応だと言えるでしょう。

しかし、このように辞めることを拒否されるよりも、もっとこじれるトラブルもあります。

辞めたいと伝えたら強引に引き留められた

夜職を辞めたいと言っているにも関わらず、強引に引き留めてくる店長もいます。引き留める方法はさまざまです。

ある店長は、「〇〇ちゃんがどうしても辞めるなら、代わりのキャスト引っ張ってきてからにしてよ」と言い、後任のキャストを自分で探してこいと言うそうです。

またある店長は、「絶対に辞めないで!辞めたら俺生きていけなくなるから!お願い」と単純に食い下がってきたそうです。

どちらにしても慰留されるのは、人として必要とされているような錯覚に陥りますが、店長は翌日からの店舗の運営に困っているだけなのです。

辞めたいと伝えたら、脅された

夜職を退職する際に起こる可能性が高いトラブルの中で、最も悪質なのが、店長から脅されたり、暴言を浴びせられたりするということです。

パワハラ以外の何物でもなく、さらに退職を希望する従業員に対してあるまじき行為なのですが、悲しいことに夜職の世界では珍しくないトラブルなのです。

キャストもまだ10代後半から20代と若い女性が多い中で、自分よりも年上の男性からきつく怒鳴られてしまうと、何も言えなくなってしまうでしょう。

それどころか、恐怖のあまり泣き出す人も少なくありません。

「辞めたらどうなるか分かってんだろうな!」「辞めるって分かってるキャストに給料払う必要なんてないよな?」「どうせ転職しても失敗するにきまってるだろう!」などと大声で怒鳴られた時、適切に対処できる人がどれほどいるでしょうか?

夜職を辞める際のトラブルを解決する対処法3選

夜職を辞める際のトラブルを解決する対処法3選

こんな目に遭うくらいなら、いっそのこと他のキャストと同じように自分も飛んだ方が楽なんじゃ…と思う人も多いのではないでしょうか。

しかし、お世話になったお店には変わりなく、できれば辞めることをちゃんと伝えた上で退職したいものですよね。既に辞めると言って、トラブルになっている最中の人も多いかもしれません。

そこでここでは、既に起きたトラブルの対処法について紹介します。

内容証明でお店に退職届を出す

退職届を提出して2週間後には、法的には退職が認められます。

民法第627条では、「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」とされています。

夜職では退職届を出さず、口頭で済ませるお店が多いのも事実です。

しかし、口頭のみだとお互いに辞めると言った、言ってないの水掛け論になってしまい、いつまで経っても辞められなくなってしまいます。

トラブルを収束させ、穏便に夜職を辞めるためには、退職届を内容証明郵便で店長あてに郵送しましょう。確かに送ったという証拠を残すことができ、後からお店側から何か言われても、まったく後ろめたいことはありません。

もしもお店側から何か言ってくることがあれば、「民法で退職する意思を表明していれば、2週間後には退職できるって決められているから」と、毅然とした態度を示せばよいのです。

弁護士に相談する

辞めたいと言っている従業員を無理に引き留めたり、脅したりしている時点で、お店側が法的にも倫理的にも間違っています。

キャストが辞めると言っているのに、トラブルに発展するようなお店は、自分たちが悪いと自覚していないこともあります。

法的に絶対問題があるのに、自分自身に法的な知識がなくて困っている場合、弁護士に相談してみましょう。同じ弁護士でも、離婚問題に強い弁護士もいれば、労働問題に強い弁護士もいます。

この場合、後者の労働問題に強い弁護士に相談してみましょう。弁護士って、相談するだけでも高い費用がかかりそうで不安…という人は、まずは「法テラス」を利用してみてはいかがでしょうか。

法テラスは、日本国政府が設立した法人であり、30分以内なら無料で法律相談を受けることができます。

難しく考えず、「辞めたいと言ったのに、こんなことをされた/言われた」と相談すれば、あとは法律の専門家が適切な処置について教えてくれます。

労働基準監督署に相談する

退職時の問題も、労働問題の1つです。辞めたい時に辞められないなら、労働基準監督署に相談してみましょう。労働基準監督署は、労働条件に関する改善を行っています。

もしも店舗で問題がある場合は、退職届を提出した日や、その際に店長から言われたことなどを詳細にメモし、労働基準監督署へ相談に行きましょう。

なお、労働基準監督署は各自治体に設置されています。
(参考:https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/kantoku/list.html)

自分が住んでいる場所から行きやすいところで構いませんので、気兼ねなく利用しましょう。

まとめ:法律を味方にしてトラブルなく夜職を辞めよう

夜職も法で守られた労働であることに変わりはありません。従業員であるキャストが辞めたいと言えば、辞められるべきです。

それにも関わらず、辞められないようなトラブルに発展した場合は、あなたを守る法律があります。民法では退職希望から2週間後には辞められると提示してあります。

1人で思い悩む前に、弁護士や労働基準監督署に相談してみましょう。

これまでの経験と実績から、あなたのトラブルを解決できる方法を見つけることができ、ためになる助言を受けられるはずです。