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昼職の仕事が決まった!正しい夜職の辞め方とは?
昼職の仕事が順調に決まって嬉しい反面、夜職をいつ、どのタイミングで、どうやって辞めたらいいのか分からず、困っている人も多いのではないでしょうか。
夜職にもお世話になってきた以上、マナー違反になるような辞め方や、トラブルにつながりそうな辞め方は避けたいものです。
そこでこの記事では、トラブルの起きにくい夜職の正しい辞め方について紹介します。
トラブルが多い!夜職から上手に辞められないケース3選

労働基準法にもあるように、私たち労働者は、昼職でも夜職でも働く自由と辞める自由があります。働きたい業界で働ける自由と、個人が辞めたいと言えば辞められる自由があるのです。
しかし、夜職では独自のルールがあると主張する店舗も多く、辞める際にトラブルに発展することも少なくありません。
ここでは、夜職から上手に辞められないケースを3つ厳選して紹介します。
辞めようとしたら「話し合おう」と引き留められた
1度辞めたいと思ったら、1日も早く辞めたくなる人が多いのではないでしょうか。一般的な退職の流れからしても、退職したいと思ったら、まずは直属の上司に相談するのがベストです。
ただ、夜職の場合は直属の上司=店長であることが多く、いきなり店長に退職の話をするのが怖い、難しい…という人も多いのではないでしょうか。
しかし、なんとか勇気を出して「今月で退職したいのですが…」と申し出てみたにも関わらず、「まあまあ、急すぎる話だから、〇〇ちゃんの意見を聞かせてよ」などとなだめられる人も多いのです。
このような「とりあえず話し合おう」という姿勢を見せてくる店長の中には、もちろんキャストの言い分をきちんときいて、労働条件の改善を前向きに検討してくれる人もいます。
しかし、多くの場合は「話をきく」というスタンスで「辞めないでほしい」「グチをきいてあげる」といって、退職希望をかき消そうとするでしょう。
押しに弱いタイプの人の場合、このような引き留めにあうと断れず、上手に辞められないケースに陥ってしまうのです。
ウチは入店から1年は絶対に辞められないと言われた
夜職には、その店舗独自のルールがあるものです。
ローカルルールとも言えるその中身の一例を挙げれば、「メイクは入店歴の長い人から」「このドレッサーは〇〇さん専用」など、それほど重要度の高くないものもあります。
しかし、夜職を退職した人の頭を悩ませるのが、退職時の独自の店舗ルールです。
実際にあったケースでは、店長に退職希望を申し出たところ、「ウチの店は、入店から最低1年は絶対辞められないんだよね」と、退職希望をスルーされてしまったということがあります。
後に紹介しますが、このように労働者(キャスト)が辞めたいと言っているのに、「辞められない」というのは違法です。
それにもかかわらず、キャストには分からないと思ってか、上記のようなありえない店舗独自のルールを押し付けられ、上手に辞められないということもあります。
退職届を受け取ってもらえずに辞められない
テレビドラマなどでも、会社を辞める際に「退職願」や「退職届」を上司にたたきつける…というシーンを見たことがある人も多いでしょう。
一般的には、たたきつける必要はないにしても、退職願・退職届を提出した時点で、雇用主はそれを受け取り、退職に向けての手続きを始めていくのが一般的です。
しかし、夜職の雇用主の中には、退職届を提出したにもかかわらず、「受け取らない」という人がいます。提出しても、その場で突き返されたり、ひどい場合にはその場で破られたりすることもあるのです。
辞めたい、これを出せば辞められる…と思って退職願を書いたのに、その場で破られるのは、かなりショッキングな出来事です。
そのため、「夜職って、自分の好きなタイミングでは辞められないんだ…」と退職を諦めてしまう人もいるのです。
手順ごとに紹介!正しい夜職の辞め方

夜職には独自の文化やルールが根強く残っている店舗も多く、一般的な退職手続きでは上手に辞められない人がいるのは事実です。
しかし、せっかく昼職の仕事が決まっているのですから、夜職を辞めなければ、昼職への転職が実現しません。
上手に夜職を辞めて、昼職へ気持ちよく転職するためにも、ここで手順を追って正しい夜職の辞め方について紹介します。
1.円満に辞めるために、1か月前には退職願を出すor相談する
昼職の一般的な辞め方と同じように、夜職でもまずは退職したいという意志があることを店長に伝えましょう。この時、退職願という書類を提出するのもよいでしょう。
退職願と退職届を同じもののように考えている人も多いのですが、この2つは正式には意味が異なるものです。退職願は、退職したいという意志を伝えるためのものです。
一方、退職届は、「もう退職します」という、従業員側からの通告の役目を果たすものであり、これを出された雇用主は、受け入れるほかありません。
円満に夜職を辞めるためには、いきなり退職届を提出するのではなく、まずは退職願を出して、こちら側の退職希望時期や、退職理由について伝えましょう。
お店側としても、あなたが辞めることで、新しいキャストを補てんする必要が出てきます。そうなれば、キャスト募集や採用までの間に、時間と手間というコストがかかるのです。
このようなお店側の背景も考えて、できれば1か月前に、遅くとも2週間前までには退職の意志を伝えるとよいでしょう。
退職理由の伝え方については、次の手順で紹介します。
2.退職理由の伝え方を工夫する
退職理由を伝える際、できるだけお店側の視点に立って、思いやりのある言い方をすることをおすすめします。
たとえば、本音では「酔っ払いの相手がキツくなってきたから」という退職理由も、そのまま言う必要はありません。
昼職が決まっている状態なら、そのことを第1理由にしたほうが、お互いに丸く収まります。学生の場合は「就職が決まったので」という理由を挙げれば、断る雇用主はまずいません。
もしもあなたが学生ではない場合でも、「昼の仕事が決まったので」と言えば、雇用主としては断ることはできないでしょう。
どうしても本音を言わないといけないと思い込んでいる人もいますが、本来であれば「一身上の都合により…」と言葉の先を濁してもよいのです。
ただ、退職理由をあいまいにしてしまうと、先ほど紹介したように強引な引き留めをされたり、退職希望をスルーされたりしてしまいかねません。
だからこそ、本音の「もう昼の仕事が決まったから」という理由を伝えることで、引き留めや退職届拒否という事態を防ぐことができるのです。
3.キャストやスタッフにも退職を伝える
労務管理がきっちりと行われている店舗であれば、あなたが退職の意志を示した時点で、店長は他のスタッフにも折を見て退職の件について話をしてくれるでしょう。
しかし、労務管理があまり行われていない店舗の場合、あなたが辞めてはじめて、他のキャストやスタッフが退職のことを知ることになります。
あなたがいなくなった分の人員が補われていない場合、その負担は残されたキャストにかかることになるでしょう。
それが分かっていて何も言わずに辞めてしまえば、退職後にSNSなどで非難される恐れもあります。
上手に夜職を辞めたいのであれば、他のキャストやスタッフにも、辞める時期だけでも伝えておきましょう。
「どうして辞めるの?」ときかれたら、そこではじめて「昼の仕事が決まったから」と、正直に答えればよいのです。
ただ、向こうからきかれなかった場合、無理に話す必要はありません。
4.顧客に退職することを連絡する
これまであなたを指名してくれた大切なお客様は、あなたが退職したことを知らずにまた来店すれば、「どうして教えてくれなかったんだ」「何も聞いてない!」と、落胆したり、激怒するかもしれません。
そうなれば、お店に残った他のキャストやスタッフ、お世話になった店長にも迷惑をかけることになります。
また、あなたを指名してくれていたお客様に対しても裏切り行為になってしまうため、お客様に何も告げずに辞めてしまうことはおすすめできないのです。
お客様に伝える順番としては、まずは店長に報告し、キャストやスタッフに報告するのと同時くらいのタイミングがよいでしょう。
間違っても、ひいきにしてくれていたお客様だから…という理由で、店長よりも先に退職に関する話をしてはいけません。
もしもお客様が来店した時、店長や他のキャスト・スタッフがいる前で「〇〇ちゃんが辞めるって言うから会いにきたよ!」という話になったら、不信感を植え付けることになってしまいます。
上手な辞め方を実践するためには、退職に関する話をするのは、1番に店長、2番にキャストやスタッフと、お得意様、3番に名刺をいただいているその他のお客様という順番にしましょう。
5.退職に関する連絡が一通り終わったら、名刺を破棄する
夜職で知りえた情報については、夜職を辞めるタイミングで破棄するのが正しい辞め方です。たとえば、顧客のリストが上記に当てはまります。
個人情報を多分に含む顧客リストは、昼職に転職が決まった人が持っているべきものではありません。その情報は、お店側の財産となるものだからです。
また、お客様からいただいてきた数々の名刺も、夜職を辞めるタイミングですべて破棄しましょう。具体的には、情報が残らないよう、シュレッダーにかけて処分します。
ただし、お客様を他のキャストに引き継げる、引き継ぎたいという場合は、シュレッダーにかけず、お客様の了承をとった上で引き継ぎましょう。
お店側としては、あなたが抜けたことによってお店側の収益が減ることをなるべく防ぎたいと考えています。
そのためにも、引き継げる顧客は引き継いで、退職によって与える店舗側への負担を減らすことも、上手な辞め方の1つです。
6.最終勤務日には、出勤している人全員に挨拶をする
夜職最後の仕事の日、お客様にはこれまでの感謝を何度も伝える人は多いでしょう。
しかし、本当に上手に夜職を辞めるためには、お客様だけではなく、お店側に残る人(キャストやスタッフ)とのお別れを後味のよいものにしておくことをおすすめします。
一般的な会社を退職する人でも、退職当日にはお世話になった人に挨拶をして、ちょっとしたお菓子や記念品を配ることも多いものです。夜職で働いている間、自分の気が付かない間に迷惑をかけていたり、お世話になっていたりしたことも多いもの。
そこで退職当日、退勤前に店内にまだいるキャストやスタッフには、きちんと挨拶をしておきましょう。
もしかしたら、昼職の転職先に顧客として来るかもしれませんし、ここでイヤな別れ方をしていると、後々になってしっぺ返しが来るかもしれません。
人は、最初を最後に起きたことほどよく覚えているものだという心理学的な研究結果もあります。
つまり、「終わりよければすべてよし」なのです。
最終出勤日に、ちょっとしたお菓子などを配りながら「今までありがとうございました」「お世話になりました」と挨拶しておけば、転職のことでちょっとくらい迷惑をかけることがあっても、相手にはよい印象を残し、上手に辞めることができるでしょう。
まとめ:辞める理由は正直に、最後の後始末をきっちりするのが上手な夜職の辞め方!

夜職を辞める際には、強引な引き留めにあったり、労働基準法を無視した店舗独自のルールがあるからと上手に辞められない人がいるのは事実です。
このような事態にならないよう、上手に夜職を辞めるためには、昼職がすでに決まっていることを正直に話すのが一番の方法となります。
お店としても、既に転職先が決まっている人を引き留めるわけにはいきません。
ただし、この時間違ってもネガティブな情報を付け加えないようにしましょう。「時給が上がらなかったから」「接客もキツかったし」などの“本音だけど、相手(店長)を傷つけてしまうこと”を言うことで、上手に辞められない可能性も出てくるからです。
転職先について明かす必要はありませんが、「昼の仕事が決まったので」と言って、引き継ぎや個人情報の処分を完璧にしておきましょう。
その上で、最終出勤日にはお世話になった人へ挨拶を済ませ、有終の美を飾りましょう。